ウォーターPPP(水の官民連携)をわかりやすく解説します
瀬戸内市の下水道マンホール(市の特産・ぶどうと稲穂をあしらった地域デザイン)
使った水が、ふだん意識されないまま地下の管を通って処理場へ運ばれ、きれいにして川や海へ還される。私たちの暮らしと衛生を、目に見えないところで支えているのが下水道です。
その下水道が今、「設備の老朽化」と「財政の制約」という課題に直面しています。そして2027年度には、国の補助金をめぐる重要な制度変更が瀬戸内市にも関わってきます。
今回は、瀬戸内市の下水道が抱える現状と、その解決策として国が整備を進めている制度「ウォーターPPP」について、専門用語をできるだけ使わずにお伝えします。私たちの生活に直結する、暮らしとお金の大切な話です。ぜひ最後までお読みいただき、率直なご意見をお聞かせください。
現在、瀬戸内市の下水道事業は、お金・設備・人材の三つの面で厳しい状況に置かれています。
出典:瀬戸内市下水道事業データをもとに作成
これらの課題は、行政の努力だけで解決できる規模をすでに超えています。だからこそ、新しい仕組みを真剣に検討する必要があります。
国が自治体に普及を促しているのが「ウォーターPPP(水の官民連携)」という仕組みです。
「PPP」という言葉は難しく聞こえますが、要点はシンプルです。「市が事業の責任者であり続けながら、日々の管理・運営は民間企業に長期間(10年程度)委託する」というものです。
最大のポイントはコスト削減効果の共有です。民間企業のノウハウや技術によって管理費・工事費が削減できた場合、その節約分を市と企業で分け合う(プロフィットシェア)仕組みになっています。浮いた財源を老朽化対策に充てることで、将来の急激な料金値上げを抑えることが期待できます。
※ウォーターPPPの概念図(成本崇議員事務所作成)
この制度には、重要な期限があります。
国(国土交通省)は「2027年度(令和9年度)以降、ウォーターPPPの導入を検討していない自治体には、汚水管(下水道)の改築に対する国庫補助を交付しない」という方針を示しています。
瀬戸内市はこれまで毎年、この補助金を受け取ってきました。仮にこの財源を失った場合、不足分はいずれ市民の皆さんの料金負担に跳ね返ってくることになります。判断のための時間は、それほど多く残されていません。
「下水道を民間に委ねることへの不安」はもっともな感覚だと思います。私自身も同じ問いを持っています。だからこそ、以下の4つの仕組みを議会で求めていきます。
瀬戸内市の下水道は、放置できない状況にあります。
ただ、現時点でウォーターPPPが「必ず正解」とも言い切れません。だからこそまずは、国が用意している補助金を活用し、専門家による客観的な調査を行うことを市に提案していきます。
どんな感想でも構いません。皆さんのご意見をお聞かせください。
瀬戸内市議会議員 成本崇