瀬戸内市議会議員 成本崇|政策レポート

【瀬戸内市の下水道】
2027年、補助金の要件化が迫る。
暮らしを支える下水道を次世代に引き継ぐために

ウォーターPPP(水の官民連携)をわかりやすく解説します

瀬戸内市の下水道マンホール蓋(ぶどうと稲穂の地域デザイン)

瀬戸内市の下水道マンホール(市の特産・ぶどうと稲穂をあしらった地域デザイン)

使った水が、ふだん意識されないまま地下の管を通って処理場へ運ばれ、きれいにして川や海へ還される。私たちの暮らしと衛生を、目に見えないところで支えているのが下水道です。

その下水道が今、「設備の老朽化」と「財政の制約」という課題に直面しています。そして2027年度には、国の補助金をめぐる重要な制度変更が瀬戸内市にも関わってきます。

今回は、瀬戸内市の下水道が抱える現状と、その解決策として国が整備を進めている制度「ウォーターPPP」について、専門用語をできるだけ使わずにお伝えします。私たちの生活に直結する、暮らしとお金の大切な話です。ぜひ最後までお読みいただき、率直なご意見をお聞かせください。

▼ この記事の内容
  1. 瀬戸内市の下水道が抱える「3つの構造的課題」
  2. 「ウォーターPPP」とはどういう仕組みか
  3. 2027年という期限と、補助金の活用機会
  4. 「民間任せ」にしないための4つの安心の仕組み
  5. まとめ:まず「調査」の一歩を、市の持ち出しゼロで

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瀬戸内市の下水道が抱える
「3つの構造的課題」

現在、瀬戸内市の下水道事業は、お金・設備・人材の三つの面で厳しい状況に置かれています。

💴
財政の圧迫
119億円
人口減少や節水の普及により使用料収入は減少。下水道事業の企業債(借金)は約119億円に達しています。
🔧
設備の老朽化
0.51%
高度経済成長期の管が耐用年数を迎えつつあります。年間の管路更新率は0.51%。今後、一斉に更新時期が到来します。
👷
技術職員の不足
継承困難
専門的な技術を持つ職員が年々減少し、技術の継承が難しくなっています。
邑久浄化センターの外観
邑久浄化センター。市内3つの下水処理施設の一つで、ウォーターPPP導入の検討対象となります。
図1|瀬戸内市の下水道が抱える課題
0% 1% 2% 3% 理想値 約2% 0.98% 全国平均 0.51% 瀬戸内市 ※下水道整備が 比較的新しいため 119億円 下水道企業債 約196年 現状の更新 完了までの年数 ※瀬戸内市は下水道整備の時期が比較的新しく、現時点の更新対象管は少ない。今後、一斉に更新時期を迎える。

出典:瀬戸内市下水道事業データをもとに作成

これらの課題は、行政の努力だけで解決できる規模をすでに超えています。だからこそ、新しい仕組みを真剣に検討する必要があります。


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「ウォーターPPP」とはどういう仕組みか

国が自治体に普及を促しているのが「ウォーターPPP(水の官民連携)」という仕組みです。

「PPP」という言葉は難しく聞こえますが、要点はシンプルです。「市が事業の責任者であり続けながら、日々の管理・運営は民間企業に長期間(10年程度)委託する」というものです。

最大のポイントはコスト削減効果の共有です。民間企業のノウハウや技術によって管理費・工事費が削減できた場合、その節約分を市と企業で分け合う(プロフィットシェア)仕組みになっています。浮いた財源を老朽化対策に充てることで、将来の急激な料金値上げを抑えることが期待できます。

図2|ウォーターPPPの仕組み——市が責任を持ち、運営はプロに
国・国土交通省 補助金 最大4,000万円 補助・指針 瀬戸内市(発注者・監督者) 料金決定権・監視・ステップイン権を保持 →「責任者は常に市」 長期委託 連携条件 民間専門企業 最新技術・効率的な運営 コスト削減のノウハウ 地元管工事業者 地域を知る・地域を守る JV(共同企業体)で参加 チームで運営 💰 プロフィットシェア 削減できたコストを市と企業で分け合い → 料金値上げ抑制へ

※ウォーターPPPの概念図(成本崇議員事務所作成)


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2027年という期限と、補助金の活用機会

この制度には、重要な期限があります。

国(国土交通省)は「2027年度(令和9年度)以降、ウォーターPPPの導入を検討していない自治体には、汚水管(下水道)の改築に対する国庫補助を交付しない」という方針を示しています。

瀬戸内市はこれまで毎年、この補助金を受け取ってきました。仮にこの財源を失った場合、不足分はいずれ市民の皆さんの料金負担に跳ね返ってくることになります。判断のための時間は、それほど多く残されていません。


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「民間任せ」にしないための
4つの安心の仕組み

「下水道を民間に委ねることへの不安」はもっともな感覚だと思います。私自身も同じ問いを持っています。だからこそ、以下の4つの仕組みを議会で求めていきます。

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料金決定権は市が保持する 民間事業者が独断で料金を引き上げることはできません。
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市による継続的な監視(モニタリング) 業務の質を定期的に確認し、基準を下回った場合は是正措置を講じます。
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事業継続の保障(ステップイン権) 万が一事業者が経営困難に陥った場合でも、市が事業を引き継ぎ、水を止めない体制を担保します。
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地元企業との連携を条件とする 地域を長年支えてきた地元の管工事業者が、大手企業と協力してあたる体制(JV方式)を契約条件に盛り込みます。

まとめ:まず「調査」の一歩を、市の持ち出しゼロで

瀬戸内市の下水道は、放置できない状況にあります。

ただ、現時点でウォーターPPPが「必ず正解」とも言い切れません。だからこそまずは、国が用意している補助金を活用し、専門家による客観的な調査を行うことを市に提案していきます。

国の補助金(上限4,000万円)を使えば、市の持ち出しなしで専門的な調査が可能です。「進めるかどうか」はその結果を見てから判断すればよい——私はそう考えています。

皆さんはどうお感じですか?

どんな感想でも構いません。皆さんのご意見をお聞かせください。

民間委託には慎重であるべき
料金が上がらないなら前向きに
もっと詳しく知りたい

瀬戸内市議会議員 成本崇