瀬戸内市議会議員 成本崇|政策レポート
【瀬戸内市の財政】
半導体工場も空港もないまちは、どう生き残るか
令和8年度「不交付団体」躍進のニュースから読み解く、これからの財政戦略
高台から見渡す、瀬戸内市の田園と町並み。この先の財政運営を考える出発点です。
先日、ちょっと気になるニュースが流れました。総務省が発表した令和8年度の「普通交付税」の算定で、新たに5つの市町村が「不交付団体」になったというものです。
正直「なにそれ?」と思われた方も多いはずです。でも実はこれ、瀬戸内市のようなまちの未来を考えるうえで、かなり重要なヒントが詰まったニュースなんです。
半導体工場も国際空港も持たない私たちのまちは、この結果から何を学べるのか。今回は、なるべく専門用語をかみくだきながら、瀬戸内市がこれから取るべき財政戦略についてお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、率直なご意見をお聞かせください。
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そもそも「不交付団体」って何?
まず用語からいきましょう。
普通交付税とは
国が全国の自治体の財政を支えるために配っているお金のこと。自分の市だけの税収では住民サービスをまかなえない自治体に対して、国が「その差額」を補填してくれる仕組み、とイメージしてください。
不交付団体とは
その交付税をもらわなくても自分の税収だけでやっていけると判定された、いわば「自立した」自治体のこと。全国の市町村の中でも、ほんの一握りしかありません。
つまり不交付団体になるというのは、「税収がとても豊かなまち」というお墨付きをもらうようなものなんです。
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今回、何が起きたのか
今回新たに不交付団体になったのは、次の5市町村です。
宮城県 大和町
群馬県 明和町
千葉県 芝山町
山梨県 山中湖村
愛知県 豊橋市
背景にあるのは、半導体や自動車といった製造業の好況、そして急回復するインバウンド需要(海外からの旅行者による消費のこと)です。
ただし、これらのまちが単に景気が良かっただけではありません。共通しているのは、巨大工場・空港・リゾートといった「地域特有のインフラ」を持っていて、そのインフラを通じて景気の追い風を確実な税収増につなげたという点です。
この結果が示すこと
言い換えると、チャンスを受け止める「受け皿」があったかどうかが明暗を分けたということです。
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瀬戸内市は何をすべき?4つの処方箋
では、大規模な工業団地も国際空港も持たない瀬戸内市は、このニュースをどう生かせばいいのか。限られた財源で持続可能な運営をするために、私は次の4つを進めたいと考えています。
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公民連携(PPP/PFI)で「稼ぐインフラ」に変える
道の駅や公園の整備にPark-PFI、上下水道の更新にウォーターPPPを活用する。行政のコストを抑えながら、民間の利益を通じて税収や地代収入も生まれる、「お金をかける施設」から「お金を生む施設」への転換です。
PPP / PFI・Park-PFI・ウォーターPPPとは
PPP/PFIは、行政と民間企業が力を合わせて公共施設やインフラを運営する手法のこと。Park-PFIは公園に民間の資金とノウハウを入れて、おしゃれなカフェなどを作る制度。ウォーターPPPは水道事業の運営に民間の力を借りる仕組みです。
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地域資源と次世代モビリティ(MaaS)を組み合わせる
牛窓の景観、長船の刀剣、豊かな農水産物。この観光コンテンツを市内での消費(=企業の利益、つまり法人税収)につなげるため、観光客の移動と住民の生活の足を統合したMaaSやデマンド交通の整備を進めます。
MaaS・デマンド交通とは
MaaS(マース)は、バス・タクシー・シェアサイクルなど複数の交通手段をスマホひとつでまとめて使える仕組み。デマンド交通は、決まった時刻表を持たず、予約すれば来てくれるタクシー型のバスのことです。
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「教育と安全」で住み続けたいまちをつくる
企業業績に左右されやすい法人税収に対して、固定資産税や個人市民税は景気変動に強く、中長期的な財政の土台になります。これを安定させる一番確実な投資が、子育て世代に選ばれるまちづくりです。地域住民や保護者が学校運営に参加するコミュニティスクールの仕組みを広げ、専門人材によるいじめ防止・学校安全対策もあわせて充実させる。それが「このまちに住み続ける理由」をつくることに直結します。
コミュニティスクールとは
保護者や地域住民が一定の権限を持って学校運営に参加する仕組みのこと。
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国のお金を戦略的に取りに行く
PPP事業やMaaS導入などの初期投資には、成長投資枠やデジタル田園都市国家構想推進交付金といった国庫補助金を最大限に活用し、市の一般財源の持ち出しを最小限に抑える緻密な予算編成が欠かせません。
国庫補助金・交付金 / 一般財源とは
国庫補助金・交付金は、国から自治体に交付されるお金で、特定の事業に使う目的で支給されます。一般財源は、使いみちが自由な市の自主財源(市税など)のことです。
まとめ:瀬戸内市でも、できることがある
「それは大きな工場や空港があるまちだからできるのでは?」——そう思われるかもしれません。ですが、瀬戸内市にも牛窓の景観や長船の刀剣、豊かな農水産物という地域資源があります。足りないのは規模ではなく、その資源を歳入につなげる仕組みです。
財政運営の基本路線
歳入を最大化
地域の強みを民間の力で収益化する
歳出を最小化
公共交通のスマート化やインフラ管理を最適化する
この両輪を回すことこそ、工業団地も空港も持たない瀬戸内市が持続可能であり続けるための現実的な道筋だと、私は考えています。
あなたはどう感じますか?
4つの処方箋のうち、瀬戸内市に一番必要だと思うものはどれですか。ご意見をお聞かせください。皆さんの声を、市政に届けます。
① 公民連携で「稼ぐインフラ」に
② 観光資源とMaaSの連携
③ 教育・子育て環境の充実
④ 国の補助金・交付金の活用
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